第34章 踏み出す一歩
「うん。
予定通り、明日退院できそうですね。」
「ありがとうございました。」
「アタシは今日の治癒を施したら一足先に学校へ戻るよ。」
「リカバリーガール、遠い所まですみませんでした……。」
「気にすんじゃないよ、
帰る前にまた顔出しに来るから。
アメでも食べて安静にしてな。」
リカバリーガールに貰った飴を口に含み、診察を終えた先生とリカバリーガールを見送った。
病室に残された私と消太くん。
「今日は塚内さんとグラントリノさんが事情聴取に来るんだろ?」
「うん。午後に来るって。」
「そうか………。
俺は居ても邪魔になるし適当にその辺で仕事してるから、何かあったら呼べよ?」
「わかった。
ってゆうか、ちゃんとホテル取ってベッドで寝てよ。
ここの床で寝られると気になっちゃって私が眠れないよ…」
「あ?さすがに病院で手を出したりしないぞ?」
「そういう事言ってるんじゃないよ、もう!」
恥ずかしげもなくケロッとしている消太くんに、生娘でもないくせにしどろもどろな私………。
これからも振り回されそうな予感。