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partly cloudy 【ヒロアカ】

第33章 あなたのヒーローに







消太くんは一瞬固まったがすぐに私の手を取った。



そこからはすべてがスローモーションに見えた。
ゆっくりと消太くんの顔が近付いてきて、消太くんの唇が私の唇と重なる。


少し乾燥しているが柔らかく暖かい唇はすぐに離れていった。
消太くんに見つめられ、その優しい瞳から目が離せない。
金縛りにあったように身体が動かず、まるで時が止まっているかのようだった。

そして、またゆっくりと消太くんの顔が近付いて来る。
優しく唇が触れては離れ、そして何度も角度を変え徐々に激しさを増していく。
私は瞳を閉じ、ただただ消太くんを受け入れた。






離れていく唇に名残惜しさを感じていると、消太くんが私の手を取り真剣な表情をした。


「……俺は、霞のことを妹だなんて思った事は一度もない。
初めて屋上で話したあの時から、霞は俺の一番大切な女の子だった。」


ポツリポツリと、
ゆっくりと消太くんは話す。


「俺なんかが霞を幸せにできるわけないって気持ちをずっと抑え込んできた。
霞には幸せになって欲しかったから、白雲も分まで、笑って生きていて欲しいから、俺ができるのは霞が笑って過ごせるように見守ることだった。」




私の手を握る消太くんの手に力が入る。



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