第33章 あなたのヒーローに
病室の扉が開いて担当医の先生とリカバリーガールが入ってきた。
「背中の熱傷は特に酷かったです。
リカバリーガールが治癒してくれたので
痛みはそこまでないでしょうが。」
「火傷の痕は少し残っちゃうかもしれないね…」
リカバリーガールが困ったような悲しそうな顔をして言った。
女として、傷が残ることを気にしてくれているのだろう。
でも私はヒーローとして生きていく覚悟を決めている。
傷が残るくらい、どうってことない。
声が出せないので、気にしていないという意味を込めて精一杯、首を横に振った。
「とりあえず、治癒を施したから明日には動けるようになるだろうけど、無理するんじゃないよ!」
「明後日には退院できると思います。
そうしたら雄英の方に戻ってリカバリーガールに細かく治癒して頂くのがいいかと思います。」
コクコクと縦に頭を振ってから、先生方に頭を下げた。
「不便でしょうが、声も明日には治るかと思いますので、もう少し我慢してくださいね。」
そう告げて先生とリカバリーガールは退出して行った。
「霞!良かったぜ、目が覚めて!」
病室の扉を開けて入ってきたのはひざしくん。
その後ろからのっそりと消太くんも。
<心配かけてごめんなさい>
口パクとジェスチャーでそう伝えた。
「気にすんなって!
明後日には退院だってな。
俺はまだ仕事残ってるから今日学校戻るけど、相澤置いて行くからよ。
のんびり帰って来いよ~。」
<ありがとう>
ペコッと頭を下げると、下げた頭をひざしくんがワシワシと撫でた。
「また学校でな。」