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partly cloudy 【ヒロアカ】

第33章 あなたのヒーローに






パチッと目を開けると
白い壁の天井が目に入った。


そうだ、病院だ……。

麻酔が切れたのか、あちこちがキリキリと痛む。



ぼんやりとした思考で
足、首、手と身体が動くかどうかを確認すると、手に温もりを感じた。


首を少し動かすと黒い頭が視界に入る。


消太くんだ。
私の手を握ったまま突っ伏して寝ている。


ずっと付いててくれたんだ…
疲れてるだろうに……


しばらく消太くんの寝顔を眺めた。




「……ん」


消太くんの目がピクッと動き、
そのまま目を開けた。


「……起きたか?」


コクンと首を動かして答える。
声を出そうとしてあまりにも掠れた声が出て驚いた。


「喉も火傷してるらしいぞ。
無理するな。とりあえずお医者さん呼んでくるから、大人しくしてろ。」 


再びコクンと頷くと、
消太くんが私の頭を優しく撫でて病室を出て行った。


消太くんを見送ってから
少しはっきりとしてきた思考で荼毘との会話を思い出す。




《お前のDNAに用があるらしいぜ?
同等の個性を引き継がせるには近しいDNAが好ましいんだと》


《脳無の作り方、知ってるか?
あれのベースは人間なんだとよ》


《切羽詰まってるんじゃね。
一番便利な奴が捕まっちまったからな》



私の知っている連合についての情報だけでは
何のことだかさっぱりわからない。

塚内さんなら何かわかるかもしれない。
どちらにせよ、警察の聴取はあるだろうから
その時に話してみよう。




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