第2章 雨と雲
そうこうしている間にもうすぐ家に着く。
消太くんと過ごす時間は
いつもあっとゆう間にすぎる気がする。
「送ってくれてありがとう。」
「暖かくして寝ろよ?」
「あはは、そうする!消太くんもね」
家の少し手前で別れの挨拶をする。
明日もインターンで学校へは来ないらしい。
「あのさ…」
私の家と反対方向へ歩き出した消太くんが足を止めて振り返った。
「インターンが終わって落ち着いたら
話したいことがある。時間もらえるか?」
「え?うん。全然いいよ!」
何だろう、改まって。
「昨日、白雲に聞かれたんだ。
霞のことどう思ってるかって。
白雲には答えてないんだ。まずは霞に話したいから。時間とってほしい。…じゃあ、またな」
「あ、うん…また…」
私はかろうじて返事をした。
消太くんはまた私の家と反対の方向に足を踏み出し
今度は振り返らずに去っていった。
消太くんが角を曲がって見えなくなった所で、私は足の力が抜け、道路にへたり込む。
しばらく立てなかった。
人通りが少なくて良かった。