第32章 立ち込める暗雲
「なァ、イレイザー。
霞は今日帰ってくるんだよな~?」
机にだらしなく顔を伏せたマイクが
顔だけこちらに向け本日何度目かの確認をしてきた。
「しつこい。」
「アイツ、この量を一人で捌いてたの
アンビリーバブルだぜ……
カムヒアー霞ーーー!!!!!」
「うるせぇな、いきなり叫ぶな!」
ったく。
自分で手伝うって言って霞を送り出したくせに。
マイクに軽蔑の視線を送ってから
目の前でヨボヨボになっている元No.1ヒーローにもチラッと視線をやる。
「ひっ!!な、何だい、相澤くん……
ま…またどこか間違ってた………?」
俺が視線を向けたことに過剰に反応しすぎている。
オールマイトの凡ミスを今まで霞が俺の目に入る前に修正や指摘をしていてくれた事がよーーーくわかった。
おかげで何度も何度もミスを指摘している内に、声を掛けるとオールマイトがビクビクするようになった。
「霞ちゃんがいないと荒れるわね~。
たった5日間程度なのにね。」
「本当ですね。」
ミッドナイトさんと13号の声が耳に届く。
もうこっちには向かってきているはずだから
暗くなるまでには帰ってくるだろう。
5日間いないだけなのに帰ってきたら
宴会騒ぎのようになりそうだな……ハァ………。
昨日の夜、エリちゃんにも帰ってくると伝えたら嬉しそうにしていた。
みんなが楽しみに待っている。
霞の人柄ゆえだな。
隣でグダッているマイクに喝を入れて
俺はまたパソコンと向き合った。