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partly cloudy 【ヒロアカ】

第32章 立ち込める暗雲






「ま、そうだろうな。
俺だったらお前みたいな弱そうなやつ
使わないけど、切羽詰まってるんじゃね。
一番便利な奴が捕まっちまったからな。」


「いろいろ教えてくれるのね。」


「ああ、つい喋りすぎちまった。
でも関係ねぇよな、お前は死ぬんだからなぁ!」


荼毘の蒼炎が襲い掛かってくる。
被害者も少し離れた奥の方へ移動できた。

雲の壁で炎を防ぎ、雲を腰に巻き付け浮かび上がった。
腰のポーチからサポートアイテムの警棒を取り出し、荼毘の脳天を目掛けて振り下ろす。

脳天は避けられたが肩を掠めた。
続け様に蹴りを鳩尾へ繰り出し、荼毘は壁に身体を打ち付けた。



「やっぱりプロは一筋縄じゃいかねぇな。」


ボソッと呟くとニヤッと笑って
私ではない方向へ手のひらを向けた。



「やめて!!!」


「ヒーローってのは難儀だよなぁ!」



そう叫ぶと先ほど逃がした被害者の方向に向かって炎を放出した。

咄嗟に飛び上がって被害者を庇い、炎を背に受けた。
雲の壁も咄嗟に出したものの、火力に押し負けすぐに散ってしまった。



「ぐ………ぅ………」


熱いけど耐える。
目の前で倒れている人はもう一度少しでも炎を浴びれば死んでしまう!



「背中がちょっと焦げてるくらいならセーフだろ。」


荼毘が炎を出すのを止めた。
背中の感覚がない。
煙を吸ってしまって頭もフラフラする。


このままじゃマズい、殺される………
消太くん、ごめん。
真っ直ぐ帰れなくて………



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