• テキストサイズ

partly cloudy 【ヒロアカ】

第32章 立ち込める暗雲







「……た…たす……け…て……」


背後から微かにだが、声が聞こえた。
被害者が生きている。
ハッとそちらに意識がいき、一瞬力が弱まると荼毘は身体をよじり抵抗。

再び抑えようとするも、荼毘自身から蒼炎が噴出した。
勢いで吹っ飛ばされるも受け身を取って態勢を立て直す。


荼毘は笑いながら発火していた。
よくみると荼毘は自身の炎で自身の体を蝕んでいる。
個性が体に合っていないようにも思える。



「あなた、身体と個性が合っていないわよね。
その火傷は自らの炎でついたものでしょう?」


荼毘は何も答えなかった。
先ほど吹っ飛ばされたおかげで奥にいる人の姿が確認できた。
さっきの声は必死に振り絞ったのだろう、今はピクリとも動かず横たわっている。
注意をこちらに引き付けて、奥にいる人を少しでも安全な場所へ運ばないと。



「そんなに急いでいる様子もなさそうだし、
もう少し教えてよ。私のDNAが必要ってどうゆう意味?」



荼毘に気付かれないように雲を被害者の下から発生させ、浮き上がらせた。
ゆっくりゆっくり私たちから距離を取らせる。



「脳無の作り方、知ってるか?
あれのベースは人間なんだとよ。
そこに個性を複数与える。
そんで、適応した奴はめでたく脳無って怪物になれるらしいぜ。」



「私を脳無にしようとしているってこと?」




/ 446ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp