第31章 あたたかい場所
瓦礫の撤去の現場までホークスと歩く。
もちろん先日、告白された事は聞かなかったことにして、いつも通り。
大概ひどい女だなと思うけども、ホークスも何事もなかったかのように接してくれている。
私だけが意識しているのもホークスに迷惑だ。
「霞さんが来てくれて助かったって声、よく聞きますよ。」
「本当?嬉しいな~!」
「いつまで居られるんですか?」
「ホークスの羽が生えそろうまではお手伝いするつもり。
復興の時に付けこむ敵もいるからね。」
「すみませんね、ほんと。
多分、明日には生えそろうかな~。」
ホークスがクルッと背を向けて
羽の生え揃っていない翼を見せてくれた。
所々まだ短いが量は増えてきている。
本調子ではないが自分ひとりなら空は飛べるらしい。
「そっか、じゃあ、明後日には帰るかな。
授業もあるし、仕事も押し付けてきちゃったし。」
「そッスか。
また寂しくなりますね~。」