第30章 シンプル
ホークスの笑いが落ち着いた所で詳しく聞くと、ミルコが駆けつけた時に「中継みて飛んできた」と言っていたらしい。
同じ台詞なのに、まったく間に合っていない私のダサさたるや……。
「ミルコみたいに重要な場面で格好つけたかった……。」
「いやいや、充分ですって。」
ホークスの背中をみると剛翼は一本しかない。
先の戦いで燃えてしまったらしい。
これでは飛ぶことはできない。
もう帰るところだというので、雲に乗せて送って行くことにした。
「羽は2、3日したら生え揃うと思うんで。
そうしたらまた活動再開します。」
「そっか。それまではゆっくり休んでよ。
復興作業はこっちで頑張るから。」
「ありがとうございます。
霞さんは何でこんな早くに?」
「リカバリーガールを連れて来てくれってゆう依頼があったの。
それ受けてすぐ飛んで来た。」
「そっか、リカバリーガールを……。
よかった、エンデヴァーさんもすぐ回復できますね。」
ホークスがホッとした顔をした。
何だかいつもの元気がないのはエンデヴァーさんが心配だったから、かな?
「ホークスって、エンデヴァーさんのこと好きだよね。」
「へ!?何ですか、いきなり。」
「私ね、誰が誰に憧れてるとか、そうゆうの見抜くの得意なの。」
ヘラッとホークスに笑いかけた。
自分でも理屈はわからないが、憧れや尊敬の眼差しには敏感でなんとなくわかるのだ。