第30章 シンプル
九州にはその日のうちに到着。
遅い時間になってしまったので、リカバリーガールは病院で寝床を借りるとのこと。
朝一でエンデヴァーさんの治癒を行うらしい。
私はリカバリーガールを降ろし、とりあえずマッスルレディの事務所に向かおうと病院を出て雲で浮き上がると病院の外でホークスがしゃがみ込んでいるのを見つけた。
「ホークス!!」
「え……霞さん?」
なんで……と驚いた顔をしてこちらを見つめている。
急いで高度を落として雲から飛び降りた。
ストンと格好つけて着地し、ホークスに向かってピースサインをした。
「中継みて飛んできたよ!!!」
ホークスは一瞬ポカンとした表情をしてから、いきなり笑い出した。
「……フ……ハハッ!
一日に二回も同じ台詞ば聞いて、ホッとしたの初めてと!!!」
アハハハ!!と一人でお腹を抱えている。
意味がわからない私は拍子抜けだ。