第2章 雨と雲
翌日、幸いお兄ちゃんと消太くんは
インターンで公欠だったので
学校で会う心配は無い。
お兄ちゃんには少し乙女心ってゆうもんを
わかって頂きたい!
余計なお節介はヒーローの本質である。
いつかテレビでオールマイトが言っていたが
こんなところで余計なお節介を発揮しなくて良い。
考え事をしていたし、
公欠でいないとたかを括っていたのが仇となった。
帰ろうと下駄箱へ向かう廊下を曲がったところで
今は一番出会いたくない人と目が合う。
「ししし消太くん!!!!」
「お疲れさん」
いきなりすぎて心の準備が…!!!
落ち着いて、消太くんには完全にバレたわけじゃないんだ。
とにかくいつも通りに!
とりあえず深呼吸だ。
「どうかしたか?」
「な、なんでもない!
消太くんもお疲れ様でした。
学校に忘れ物?」
「今日までに提出しなきゃいけない書類だしに来た。霞はもう帰るのか?」
「うん、帰るところ〜」
よかった。普通に話せてる。
消太くんも普通だ。
お兄ちゃんの言ったことはあまり気にしていないようだ。
それはそれでちょっと寂しいような。
「じゃ、ちょっと待ってて。
職員室いって出してくるから。」
「え?」
「家まで送る。」
そう言って消太くんはスタスタ歩いて行ってしまった。
え?
私は混乱したまま立ち尽くすしかなかった。