第2章 雨と雲
「お兄ちゃん、明日はインターンだっけ?」
「おうよ〜」
お兄ちゃんは学校から帰ってきて
ソファーでゴロゴロしながら携帯をいじっている。
「明日はショータとパトロール。」
「そっか。頑張ってね!」
「なぁ、霞〜。
お前、ショータに告らねぇの?」
お兄ちゃんはソファーから起き上がり
ニヤニヤしながら言った。
私はダイニングテーブルで飲んでいた紅茶を盛大にこぼした。
「え!?!?何で知って…
あ!!!ひざしくん!?!?」
慌てて布巾でこぼした紅茶をふく。
「ん?なんだよ、ひざしにもバレてるのかよ。
おっまえ、わかりやすすぎるんじゃね?」
アッハッハ!とお兄ちゃんは
お腹を抱えて笑っている。
割と鈍感なお兄ちゃんにまでバレている。
…ということは?
「も、もしかして…
消太くんにもバレてる!?」
ひざしくんはともかく
お兄ちゃんにまでバレているのであれば
消太くんが気付かないわけない…
どうしよう!!
もう顔を合わせられない!!!
「あ〜、ショータはなんとなくわかってるだろうけど、そんなわけないって言ってたな。
アイツ、基本ネガティブ思考だから!」
「ちょっと待って!言ってたって何!?
なんか話したの!?!?」
「ショータはどう思ってんだって聞いた!」
ニカッと曇りひとつない笑顔を向けてきた。
悪気はないのだろうがとてつもなく
お節介!余計なお世話!!はた迷惑!!!
私はただただ悶絶するしかなかった。
「なんてことしてくれてんのよぉーー!
お兄ちゃんの馬鹿ぁ!!!」