第30章 シンプル
今は向こうもバタバタしているだろうから、少し落ち着いた頃にマッスルレディに連絡を取ろうと思っていた。
しかし、思っていたよりも早くヒーローネットワークを通じて救援の依頼が来た。
内容はリカバリーガールの運送及び復興支援。
可能な限り、早く来て欲しいとのことであった。
「白雲くん、メール見たかな?
急で悪いけど九州の応援、よろしく頼むのさ!」
校長先生から声をかけられた。
「はい!すぐにでも向かおうと思います。」
リカバリーガールも私の隣にいる。
交通機関での移動は時間がかかる。
リカバリーガールの運送はかなり重要だ。
「リカバリーガール、夜は冷えますので沢山着込んで下さいね!」
「年寄り扱いするんじゃないよ!」
プリプリしながらもバッチリ分厚いコートに身を包んでいた。
準備は万端のようだった。
「霞、気をつけてな。」
「寄り道すんなよ?」
消太くんとひざしくんも校長先生の横に並び声をかけてくれた。
「寄り道なんかしませんっ!
なるべく早く戻ります。
授業もろもろ、よろしくお願いします!」
ペコッと頭を下げると、二人同時に親指を立てるので笑ってしまった。
「それでは、行ってきます!」