第29章 心配のその先
「ファットガム〜〜!!」
「クラウディア!」
ヒーロービルボードチャートJP
毎年2回発表されるヒーロー番付。
今回は下半期。
発表の場にヒーローが登場するのは初めてで、今回は神野の事件でオールマイトが引退してから初めてのビルボードチャート。
今回は特別に上位にランクインしているヒーローが招待され舞台に登壇するとあって、多くに人に注目されていた。
私は発表の様子をテレビの中継で見ており、夜は発表の場に招待され東京まで来ていたファットガムと食事をする約束をしていた。
「久しぶりやな!」
「本当だね!
死穢八斎會の事件の時、お見舞いも行けなくてごめんね。」
「クラウディアも忙しい立場やん、気にせんといてや!
エリちゃん、雄英におるんやってな。
元気しとる?」
「うん!雄英での生活にも少しずつ慣れてきたみたい。」
よかった、よかった!としみじみ呟きながら、ご飯をパクパク食べていくファット。
気持ち良いくらいにお皿が空っぽになっていく。
エリちゃんが笑うようになって楽しく生活していられるのも、ファット達が頑張ってくれたからだと思うと頭上がらないなぁ……。
ファットの食べっぷりを堪能しているとファットが食べる手を止め、真剣な眼差しでこちらを見た。
「そういえば、前に大阪に来た時に会ったノリちゃん覚えとるか?」
「もちろん。」
「俺、あれからちょくちょく様子を見に行っとったんや、何や気になって。
そのノリちゃん、行方不明らしい。」
「え!?」
つい声を荒げてしまう。
ファットは目立つから、と個室にしておいて正解だった。