第29章 心配のその先
「どういうこと……?」
「詳しい事はわからん。
店のママの話じゃ突然店に来なくなったらしい。
実家に帰ったか、住まいを移したか、はたまた事件に巻き込まれたんか、誰もわからんじまいや。」
「そんな……。」
「これはヒーローネットワークでも調べられる話やけど、ノリちゃんが行方不明になった2日前後に大阪で焼死体が何体か発見されとる……。
考えたくないが、もしかしたら……。」
「事件に巻き込まれた……って可能性も考えられるってことね?」
「考えたくないが、そうゆうこっちゃ。」
焼死体ときいて最初に思い浮かぶのは、敵連合の荼毘。
ノリちゃんの行方不明が連合の仕業だとして、どうして今更ノリちゃんを狙うのか説明が付かない。
もしかしたら本当に実家に帰ったとか、そういう事なのかもしれない。
でも、何だか引っ掛かる……。
「クラウディア、気になるなら俺が調べてみよか?」
「……いや、これ以上ファットに迷惑かけられないよ。ファットは通常の仕事もあるし。かと言って、私も休暇取って大阪行く訳にもいかないから……これ以上はどうしようもない、かな。」
「ほんなら、チームアップっちゅうのはどうや?
それなら学校にも話付けやすいやろ?
時間見つけて大阪きたらええやん。」
なるほど!!!
それなら学校への言い訳も立つ。
かなり良い考えかもしれない。
もうすぐ冬休みもある。
その期間にチームアップに出る先生も少なくない。
「ファット、そうする!
是非お願いします!」
「おっしゃ、都合がついたらまた連絡くれな!」
うん!と勢いよく返事を返し、
ファットと一緒にまた食事を再開した。