第29章 心配のその先
余計なお世話だと、怒られるとしても
やはり本人にも聞いてみようと思い、
夜も遅い時間だが、エリちゃんを寝かしつけてから消太くんの部屋へとやってきた。
コンコン。
「霞です。消太くん、いる?」
返事はない。お風呂かな?
一旦、談話室のソファーに腰掛けて待ってみるも来ない。
どうしたものか……と困っていると
ちょうどオールマイトがお風呂から出てきた。
「やぁ霞くん、こんばんは。」
「オールマイト、こんばんは!
あの、消太くん見ませんでしたか?」
「相澤くん?
お風呂にはいなかったよ?」
お風呂にもいないか~。
部屋で寝ているだけかな。
いつもなら声で気が付いて起きてくれるけど、それだけぐっすりと寝ているということなのか……。
「イレイザーならさっき外に出て行ったぞ。」
「ブラド先生!」
玄関からブラド先生が入ってきた。
トレーニングルームに行ってきた帰りに消太くんとすれ違ったらしい。
「ありがとうございます!
ちょっと行ってきます。
オールマイトもありがとうございました!」
「いやいや、もう寒いから風邪ひかないようにね。」
はい!と返事をして外に飛び出した。
ブラド先生はトレーニングルームからの帰りにすれ違ったと言っていたから、消太くんもそっちの方向に向かったはず。
キョロキョロと周りを見回しながら消太くんを探す。
そもそも、こんな時間にどこに……。