第29章 心配のその先
「それでさ~、どう思う?」
「知りませんっ、よ!!」
放課後、私は心操くんの訓練の付き添い。
消太くんは今日は来られないとのことだった。
なので今日は私がひたすら個性で動き回り、それを心操くんが捕縛布で捕まえる訓練。
もちろん心操くんは個性禁止。
「心操くんが癒される時ってどんな時~?」
「それ、答えるっ、必要あります、か!!」
シュバッと捕縛布が飛んでくる。
まだまだスピードもないし、キレもない。
ヒョイと避けて再び話しかける。
「参考までにさ、教えて?」
「大人しく捕まってくれたら、考えますっ!!」
「まだまだ、捕まれなそうだな~。
なんだか走ってでも逃げられそうなんだけど。」
「くっ!」
心操くんも必死に捕縛布を操っているが、
そもそも飛んでくるってわかっているものを避けれないはずがない。
だから心操くんに不利な訓練だから仕方ないのだが、彼は負けず嫌いでもあるらしい。
「はい、飲み物。」
「ありがとうございます。」
ゴクゴクとペットボトルの中の液体が心操くんの口の中へと消えていく。
「さっきの話ですけど、相澤先生が疲れてるから何とかしたいって話でしたよね。」
「んん。まあ、そんなところ!」
「俺が思うに、相澤先生は猫見てる時と霞先生と話している時が一番楽しそうです。
だから、霞先生がネコ耳でも着けてあげればいいんじゃないですか?
あと、この前の組手の時も楽しそうでした。」
「やだ、心操くんてそうゆう趣味?
でも組手かぁ~、確かに身体動かすってのはいいかも。」
「今、俺の話してないでしょう……。
組手するなら捕縛布ありでやって下さいよ。」
「あ!それ自分が動画取りたいだけじゃん!」
ハハハッと心操くんが爽やかに笑って、また訓練へと戻って行った。