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partly cloudy 【ヒロアカ】

第26章 強く想う






引ったくり犯を捕まえて、
警察へ引き渡し、事情聴取を受けて
ようやく寮に帰ってきた頃には
日付けが変わっていた。

馬合さんの気持ちに答えられなかった上に、事件追いかけて最後置き去りにするとか……どう考えても最低だ。
でも引ったくり犯は無事に捕まり、怪我人も出なかった。
これで良かったのだと言い聞かせ、寮の玄関を開ける。


中に入ると談話室に見慣れた寝袋が転がっているのが見えた。
なんでここで寝てるんだろ……。
自分の部屋で寝ればいいのに。

馬合さんとの食事の前に言われた言葉が思い出され、また悲しくなってくるが、どれだけ突き放されても私は消太くんが好きなのだと認識させられてしまった。

もう、手遅れなんだよな……。


起こさないように静かに近づき、寝袋の中を覗き込む。
最近、隈がひどいから夜遅くまで仕事に根詰めているのだろう。


私に気が付かず、スヤスヤと眠る消太くん。
余程疲れているのか、全く起きる気配がない。



どうしよう、可愛い。
写真を撮りたい衝動に駆られるが、なんとか耐える。
シャッター音で起こしてしまうかもしれないし、写真撮ってるのがバレたら怒られる。
それに、喧嘩……ではないが、変な空気のまま出掛けてしまったから今起きられたら気まずい。


眠る消太くんを見つめながら
溜め息をひとつ落とし、起こさないようにその場を離れた。




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