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partly cloudy 【ヒロアカ】

第26章 強く想う






「いえいえ!気になさらないで下さい!
こちらこそ、すみません。重い話をしてしまって!
私が本気でプロヒーローを目指したのは、兄が亡くなってからなんです。
それまでは兄の後を追ってなんとなくでヒーローを目指していたんですけど、兄を亡くしてから私たち家族のような悲しい想いをする人たちを少しでも減らせたらって。
それで本気でヒーローを目指すようになったんです。」


「……霞さんは強い女性ですね。
僕、今時珍しい無個性なんです。
小さい頃は僕もヒーローに憧れていましたが、無個性では無理でしょう?
それで、せめてヒーローの力になれるようになりたいと思ってサポート会社を立ち上げました。」


「たくさん努力されたんでしょうね。」


「まだまだです。
僕は周りに恵まれただけです。
一人ではここまで来れていません。」


馬合さんは照れたように笑った。
素直に素敵な人だと思った。
でも、私は今日きちんと伝えると決めて来た。
ここまでの良い空気を壊してしまったとしても、こんな素敵な人を都合よく縛ってはいけない。



「私も、周りに恵まれました。
一人ではきっとヒーローになるって決断すら下せなかったと思います。
背中を押してくれた人がいて、その人が私のヒーローなんです。
片想い……なんですけど、その人が好きで……。
馬合さんみたいな素敵な人が好意を抱いてくれて、本当に嬉しく思っています。
でも、私は……その人じゃないとダメなんです。
一人で何でも抱え込む人だから、側で支えていたいんです。
だから、馬合さんの気持ちに答えることはできません。」



とは、言いつつもここに来る前に言われた言葉通りなら、消太くんは私なんて必要ないだろうし、なんなら側にいる事すら目障りなのかもしれないが。

それでも私は消太くんの側にいたい……。
例え嫌われても、離れたくない。
どれだけ心酔してるんだか、
自分でも呆れてくるけど、それが答えだ。



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