第26章 強く想う
改めて、馬合さんが予約してくれたフレンチのお店へ。
運ばれてくる料理に合わせてソムリエがワインを選んでくれる。
美味しい料理に、美味しいお酒。
胃も心も満たされる。
「霞さんはどうしてヒーローになろうと思ったんですか?」
食後のデザートに運ばれてきたクリームブリュレに舌鼓を打ちながら食後酒に口を付けていたら、馬合さんに質問された。
「一番初めは、兄の影響です。
兄がヒーローを目指して雄英に入学して、私も真似して。」
「へぇ!では今はお兄さんもプロヒーローですか?」
「あ、いえ……。
兄は在学中に亡くなりました。」
馬合さんの顔が強張った。
記者会見は見ていなかったのだろう。
忙しい人だろうから当たり前だ。
「すみません、僕……」