第26章 強く想う
「……もういい。」
私はスタスタと2人を通り過ぎて
玄関を開けて外に出る。
目が潤んでくる。悔しい。
外に出てから足を止めて
涙が溢れないように上を向く。
泣いてたまるか!
ガチャと音がして扉が開いた。
ひざしくんが心配して出てきてくれたようだ。
「ほーら、霞ちゃん。
これから美味いワイン飲むんだろ?
そんなムスくれた顔じゃ、せっかく可愛い格好してるのに台無しだぜ?」
ひざしくんは私の頭をポンポンと優しく叩いた。
ポロッと涙が一粒溢れる。
すかさず、ひざしくんが涙を拭ってくれた。
「私は消太くんの中でヒーローとして認められてなかったのかな……。
適当にヒーローやって適当に結婚して引退するって思われていたってこと?」
「そんなわけないだろ?
ただのヤキモチと八つ当たりだから、あんま気にすんな。
とにかく、何も考えずに楽しんで来いよ。
帰ってくる頃には相澤も頭冷えてるだろうから、また話し合えよ、な?」
「……うん。」
ひざしくんにお礼を言って
門へと歩き出した。