第25章 強敵
「アレはヤバいぜ、男のオレから見てもチョォォォ〜良い男のだったね。」
パーティーから帰ってきたマイクは談話室でブラドと打ち合わせをしていた俺を捕まえて、聞いてもないのにパーティーでの出来事を伝えてくる。
談話室で呑んでいたミッドナイトさんも面白そう!と会話に参加している。
「そんなに良い男だったの〜?」
「見た目も立ち振る舞いもスマート中のスマートよ!しかも社長だしよ〜。」
「私は年上と権力ある男は管轄外だけど、普通の女の子なら肩書きだけでも飛びつくわよね〜。」
「どうするよ、イレイザー!」
「どーするもこーするもないだろ。
そんな話なら俺は部屋に帰る。
まだ仕事残ってんだよ。」
つまり、霞に一目惚れした男が権力使って霞と仲良くなる為にパーティーに呼んだってことか。
胸くそ悪いが、近くにいることにあぐらをかいて何の行動も起こさない俺よりよっぽどマシだ。
何にせよ、霞が決める事。
誰と会おうが誰と付き合おうが俺には口を出す権利はない。
「あら、相澤くんいいの?
霞ちゃん、取られちゃうわよ〜?」
「……別に。
俺には関係ありませんから。」
部屋に戻る為、立ち上がった。
「素直じゃないわね〜。」
溜め息をつくミッドナイトさんと
やれやれ、と首を振っているマイクを一睨みして歩き出した。