第25章 強敵
「……あの、よかったら友達として、また会ってもらえませんか?
もっと霞さんとお話ししてみたいですし、もっと私のことも知ってもらいたいです。」
「……では、お友達として。
ワインのお店、楽しみにしています。」
パァーッと馬合さんの顔が明るくなり、私も笑顔を返した。
連絡先を交換してから、会場の中にいたひざしくんの元へ送ってもらい、馬合さんと別れた。
「ひざしくん、ごめんね。
一人にしちゃって。」
「ノープロブレム!
見ろよ、このお名刺の数。
デルモのお姉ちゃんにもキャーキャー言われちゃって、オレ満足。」
ひざしくんはひざしくんで
ちゃっかり楽しんでいたらしい。
「んで?どうだった?」
「良い人だったよ。
今度、美味しいワインのお店連れて行ってくれるって!」
ワイン、楽しみ〜!と浮かれていると
ひざしくんが呟いた。
「こりゃ〜、強敵現わる。だねぇ。」