第25章 強敵
パーティーを終えて
教師寮に戻ってきて私はすぐにシャワーを浴びた。
ああいう堅苦しい場はあまり得意ではない。
生徒たちと対人格闘技の稽古をしている方が断然楽しい。
でもドレスだけは消太くんが綺麗と言ってくれたから着れて良かったかな……。
ミッドナイトのヘアメイクのおかげだけど。
そんなせっかくのヘアメイクもすべてシャワーで洗い流し、綺麗なドレスも着なれた部屋着へと変わる。
疲れたので今日は早めに寝ようと思い、部屋に戻ってベッドにダイブした。
机の上に投げられた携帯電話がブルブルと震えた。
メールだった。
《霞さん。今日はお会いできて嬉しかったです。
話していたワインのお店、予約しておきますのでご都合の良い日を教えて下さい。
馬合爽也 》
馬合さん。
良い人だったな。
あんなにストレートに気持ちを伝えてくれる人は珍しい。
以前の私であれば、一度付き合ってみようかな。なんて考えていたかもしれない。
でも、私が好きなのは消太くん。
馬合さんの気持ちに応えることは、多分できない。
きちんとお断りしないと……
ああ、ホークスとも中途半端なままだ……
どうしようもないな、私……
ちゃんと……しないと……
考えている間に意識を手放した。