第25章 強敵
「クラウディアさん、はじめまして。
私はウマアイコーポレーション代表取締役の馬合爽也といいます。」
ああ、この人が……!
いきなりで少し驚いたが、名刺を受け取りこちらからも挨拶を返した。
「はじめまして。白雲霞と申します。
先日は我が校の文化祭に来ていただいたようで、ありがとうございました。」
馬合さんはニコニコと「こちらこそ!」と返してくれた。
とてもハンサムで好青年。
歳もあまり変わらないはずなのに、大人の雰囲気を醸し出している。
遠回しに誘ってきたからもっと面倒くさそうな人を想像していた。
この若さで大手サポート会社の社長だ。
絶対モテるよね、この人。
「もうお話しが耳に入っているかと思いますが、こちらの編集長と根津校長に無理を言って貴女をパーティーに招待してもらったんです。
お恥ずかしい話、先日の文化祭で一目惚れしてしまいまして。ははは。」
「へ!?」
い、いきなり一目惚れって!
編集長と話し込んでいたひざしくんもこちらに気づいてびっくりしている。
「あらやだ、馬合さん。
いきなりドストレートね!」
編集長もびっくりしていた。
馬合さんは恥ずかしそうにハハ…と笑っている。
「文化祭の時に声をかけようと思ったのですが、部下にナンパのような真似は辞めてくれと止められまして。貴女もお仕事中でしたし……。
なので、今日改めてお会いできて本当に嬉しいです。」
「あ、ありがとうございます。
こちらこそ、お会いできて光栄です……。」
「挨拶周りが終わったら、少しお時間いただけないでしょうか。」
「……はい。」
「では、後ほどまた!」
馬合さんは再度微笑んで編集長と人混みへ消えて行った。