第25章 強敵
「霞〜、似合うぜ!
さすがマイシスター。」
「ほーんと、似合うわ〜♪」
眼福♡とミッドナイトさんはうっとりしている。
俺はまだ言葉がでない。
「えへへ、ありがとうございます。
こういう格好あんまりしないからちょっと恥ずかしい……。」
「…………綺麗だな」
つい、出てしまった本音に俺は口を押さえる。
隣でマイクとミッドナイトさんがニヤニヤ笑っているのが目に入った。
霞をチラッと見ると、驚いたような顔をしてから顔を赤くして俯いた。
「……嬉しいデス。」
少し照れたように、こちらに微笑んだ。
心臓の辺りにガツンと衝撃が走ったようだった。
ダメだ、クソ可愛い。
「そんじゃ、そろそろ行きますかね。
お手をどうぞ、プリンセス。」
マイクが霞の手を取り、寒い台詞を吐いて玄関へと歩き出した。
「マイク。変な虫寄らせるなよ。」
「任せとけって、マイフレンド。」
「虫?ひざしくん、虫苦手じゃん。」
綺麗な格好でトンチンカンなことを言っている霞を無視して、俺は自室に戻るべくエレベーターの方へと歩き出す。
マイクが付いてれば大丈夫だろう。
本当なら自分で付いていって、片時も離れず睨みを効かせていたいところだが、パーティーに不慣れな俺が行ったところで霞に迷惑がかかる。
マイクならそつ無くこなすはずだ。
「二人とも、楽しんできてねー!」
ミッドナイトさんは霞とマイクが玄関を出て行くまで見送っていた。