第25章 強敵
パーティー当日。
ドレスに着替え、メイクをして髪を簡単にまとめた。
まだ時間に余裕があったのでキッチンで水を飲もうと廊下に出ると、ミッドナイトと出くわした。
「あら、霞ちゃん!
素敵なドレスじゃないの!
どこかにお出かけ?」
「はい、今夜付き合いのある雑誌の創刊記念パーティーがあって呼ばれているんです。」
「せっかくならもう少し髪の毛イジりましょうよ〜!メイクもやったげるわ!!
いらっしゃい!!」
「え!?」
いいから、いいから!と部屋まで引きづられて行く。
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「霞のやつ遅いな〜。」
隣でスーツを決め込んだマイクがソファーに座って足をブラブラとさせている。
さっきたまたま廊下で会ってしまい、霞のドレス姿を収めとけ!と談話室まで連行された。
「マイク、お待たせ〜!」
何故かミッドナイトさんがエレベーターから降りてきた。
霞はちょうどミッドナイトさんに隠れていて見えない。
「あれ、消太くんがいる。」
ヒョコッと横にズレて霞の全身が見え、思わず息を飲む。
黒で光沢のあるロング丈のドレスで、霞の白い肌が一段と引き立ち、形の良い鎖骨が浮き出ているのが目に入る。
髪は後ろでまとめられており、後毛がさらに妖艶さを際立たせていた。
そのままフリーズしてしまったようでマイクに小突かれた。