第24章 文化祭
談話室はガヤガヤしているので外へと出てから電話に出た。
『久しぶり〜!クラウディア!』
「お久しぶりです、編集長。」
電話は昔、雑誌で取り上げてもらってから付き合いのある雑誌の女性編集長からだった。
基本的にメディア露出は控えてきた私だったが、昔からお世話になっていた事もあり、この人に頼まれた時だけはモデルやグラビアを引き受けていた。
『今度、うちの雑誌の創刊記念パーティーを開くんだけど是非クラウディアにも出席してほしいの。』
「パーティー、ですか……。
でも今高校教師をしていて、あまり簡単に外出するわけに行かなくて……。」
『雄英でしょ〜?!
いろいろ大変よね、先生って。
でもそこは問題無しよ!
校長先生の許可はもらってるの。』
「え……?校長の?」
校長の耳に入っているのであれば話は早いが、どうして校長に話がいっているのだろう……。
『とにかく!招待状送るから!
エスコート役も誰か連れて来てね〜♪』
よろしく〜、と電話が切れた。
相変わらず嵐のような人だ。
いつも急に連絡してきて仕事を入れてくる人だった。
それでも雑誌にかける情熱や、初の女性編集長として頑張っている彼女は若かりし頃の私にはとてもかっこよく見え、今でも尊敬している。
それにしてもパーティーとは……。
エスコート役、誰にお願いしよう……。
真っ先に頭に浮かんだ男性は、おそらく…いや絶対即答で断られるはずだ。
ひざしくんならパーティー慣れしてそうだし、付いてきてくれるかなぁー。
お願いしてみようかなぁ……。
談話室に戻ると、すでに酔っ払いたちでカオス状態。
消太くんとハウンドドッグはもう夢の中。
ブラド先生は泣いてるし、エクトプラズム先生は分身を出して歌を歌っている。
溜め息を一つ落とし、寝てしまっている消太くんとハウンドドッグにブランケットをかけ、ソファーに座りまたワインを流し込んだ。
賑やかな先生たちを見つめ、文化祭が無事に終了した事に改めて安堵する。
もうすぐエリちゃんもこの教師寮に住むことになる。
そうしたら、こうやって羽目を外す事もできなくなるだろう。
せめて今日は、みんなで楽しく賑やかに。