第24章 文化祭
「くれーぷ?」
エリちゃんが首を傾げて私に聞いてきた。
「クレープっていうのは、薄い小麦粉の生地に生クリームとかフルーツとかを盛り付けてクルクルと巻いたとっても甘い食べ物だよ!」
クレープ屋さんを見つけた私は消太くんを振り返る。
ハァ……と溜め息を吐いて「わかってるよ…」と呟いて買いに行ってくれた。
私も後を追いかける。
「霞ちゃん、うれしそうだね!」
「うん!嬉しいし、楽しい!」
エリちゃんに笑顔を向けると
エリちゃんからも笑顔が返ってきた。
「エリちゃんも楽しい?」
「うん!」
子供らしい、いい笑顔だった。
笑っているエリちゃんはとても可愛らしい。
緑谷くんと通形くんと目を合わせて、私たちも笑った。
私はバナナ生クリームを注文した。
エリちゃんはみかん。
残念ながらリンゴはなかった。
みんなでクレープを食べる。
エリちゃんは歩きながらだと食べづらそうだったので、雲をパチンと出して座るように促した。
「わぁ〜、霞ちゃんすごいね!!」
エリちゃんはふわふわの雲に乗って興奮気味。
その姿もまた可愛くて、みんなで微笑ましく見守る。
その後もみんなで楽しく周り、あっという間に私の休憩時間は終わった。
「そろそろ戻るね。
エリちゃん、また後で!楽しんでね!」
「霞ちゃん、もう行っちゃうんだ…。」
エリちゃんはシュンと下を向いた。
私はしゃがんでエリちゃんと目線を合わせる。
「エリちゃん、とっても楽しかった!
一緒に周ってくれてありがとう!
私はこの楽しい文化祭がまだまだ続くように、頑張ってくるからね。
それに、私たちはリンゴネコちゃんで繋がってるでしょう?」
ヒーロー服の腰に取り付けてあるリンゴネコのキーホルダーをエリちゃんに見せた。