第23章 林檎と猫
「ようこそ、雄英高校へ!」
消太くんと通形くんが
エリちゃんを連れて校門の前まで来た。
「エリちゃん!いらっしゃい!」
「……霞ちゃん。」
エリちゃんは私が先日選んだ
白いブラウスに赤いジャンパースカートを着ている。
とっっっても可愛い!!!
持っているポシェットにはリンゴネコのキーホルダーが付けられていて、笑みが零れてしまう。
「じゃあ、デクくんの所へ行ってみようか!」
通形くんがエリちゃんの手を引いた。
消太くんと私は後ろから付いていく。
「「エリちゃん!!!」」
A組のみんなが気付いてこちらへ走ってきた。
みんなそれぞれ挨拶をしているが
エリちゃんは通形くんの後ろに隠れている。
「照れ屋さんなんだよね。」
「照れ屋さんか~!」
みんな、ほっこりとエリちゃんを見ている。
もちろん私も。
「ダンス隊、練習進んでる?」
私は何度かダンス隊の練習を覗きにきていて
バンド隊もこっそり覗いたら爆豪くんに
気が散るんだよコラァ!と怒られてからは
堂々と見学するようになった。
「ボチボチだよ〜!!」
芦戸さんが元気いっぱいに答えてくれた。
寮の中から演出隊の切島くんたちも出てきた。
演出の相談をしにきたようだ。
「じゃあ、ちょっと休憩挟もうか!
ティーターイム!!!」
芦戸さんが叫び、
ダンス隊は寮の中へ戻って行く。
緑谷くんはエリちゃんと通形くんと校内を周りに行った。
「霞先生〜、ちょっと相談あんスけど!」
切島くんに声をかけられ、私は寮にお邪魔することにした。
消太くんは一旦校長室へ報告に行った。