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partly cloudy 【ヒロアカ】

第23章 林檎と猫






病院を後にして帰りのタクシーの中。
霞は何かを思い出したとばかりに
ショッピングバッグを漁っている。


「あった!はい、コレ消太くんの分。」


リンゴネコのキーホルダーを渡された。
普段なら要らないと突っ返すが、さっきのエリちゃんと霞の会話を聞いていたから、断り切れない。



「……もらっとく。」



「消太くんの好きな猫とエリちゃんの好きなリンゴがキャラクターになってて思わず買っちゃったんだよね〜。
可愛いでしょ?」


自分の分のキーホルダーを自慢げに見せている。
こういうのは女の子が持つから可愛いわけで、オジサンが持ってるのはどうなのだろうか。
自室のデスクの上にでも置くか、とポケットにねじ込んだ。



「文化祭、エリちゃんも楽しんでくれるといいね。
その為にも当日はしっかりパトロールしないと。
でもA組のライブとB組の劇、観たかったなぁ〜。」



霞は残念そうに窓の外を眺めている。

今年は警察から中止するように言われたらしいが、校長が頭を下げて開催を望んだらしい。
開催の条件として、セキュリティの更なる強化。
そして万が一警報が鳴った場合はそれが誤報でも即座に文化祭の中止と避難。
かなり厳しい条件の為、教師陣は常にパトロールをして周り警戒態勢をとる事となった。

その為、毎年恒例の教師の催し物もなくなり、俺は心底ホッとしたがマイクは残念がっていた。




「消太くん、疲れた?
眠かったら寝ても良いよ?」



着いたら起こすよ。という霞。
確かに仕事終わりに慣れないデパートを歩き、その後に病院まで行ったので疲れはある。
同じように行動していたはずの霞はまだまだ元気そうだ。
帰ってからミッドナイトと酒を飲む約束をしているらしい。元気だな。



「いや、大丈夫。
明日はゆっくりだしな。」


「じゃあ消太くんも一緒に飲む?」


「……遠慮しとく。」




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