第23章 林檎と猫
一旦、教師寮へ戻り支度を整えた。
学校ではヒーロー服なので
このままでは目立ってしまう。
一度、ワンピースを着てカーディガンを羽織ったが全身鏡で見てみると気合いが入りすぎているように思えたのでやめた。
スキニージーンズにTシャツ。
その上にパーカーを羽織って帽子をかぶった。
歩きやすいようにヒールのないパンプスを履いて消太くんとの集合場所の談話室へ急いだ。
「ごめん、待った?」
「いや、今来たところだよ。」
なんだか会話までデートっぽくて少しドキドキしてきてしまう。
さっき、消太くんが買った子供服を見せてもらったが、すこぶるダサかった。
看護師さんは正しかった。
本人にはとても言えないが。
「最初から霞に相談すればよかったな。」
デパートについてから
子供服のエリアを歩いて周る。
「エリちゃん、まだ会ったことないからどんなのがいいかイメージできないな〜。」
「綺麗な長い銀色の髪に目がくりくりしてる子だよ。」
消太くんから聞いた情報を元に、私の趣味全開で服を選んでいく。
「これ可愛い!!!
あ、これも!うわぁ〜選べない!!」
「気に入ったの全部買えよ。
まだ本決まりじゃないが、おそらく雄英で引き取ることになるから着る機会はいくらでもあるだろ。」
「へ?そうなの?
じゃあ、私も会ってみたいな〜。
今日この後病院行かない?」
「ああ、そのつもりだったよ。
買ってすぐ届けた方が合理的だからな。」