第23章 林檎と猫
「霞、ちょっといいか。」
とある日、授業を終え
次の授業まで時間があるな〜と
パソコンと向き合っている時、
消太くんが親指で廊下を指差した。
「先日の死穢八斎會の事件で保護された女の子いるだろ?エリちゃんって言うんだが。
緑谷の提案で文化祭に招待することになったんだ。
校長の許可も降りてな。
それで、まぁ……看護師さんから出掛ける用の服の調達を頼まれたんだ……。」
頭をポリポリとかき、尻つぼみ気味に話し出した。
「うん、買ってきてたよね?」
一昨日、教師寮で消太くんが珍しくショッピングバックを持っていたから何を買ってきたのか質問した。
その時は少し嬉しそうにエリちゃん用の子供服を買ってきたと教えてくれた。
「……却下された。」
シュンとしながらポツリと言った。
看護師さーーーん!!!
せっかく消太くんが選んだのに、なんて仕打ちだ!!!
とにかく、却下されてしまったようなので私にも買い物に付き添ってほしいとのことだった。
二つ返事でOKして、今日学校が終わったら一緒にデパートへ出掛ける約束をした。
……それって何だか、デートみたい。