第22章 できる事
オールマイトとエンデヴァーの方を観ると、まだ話し込んでいるようだった。
話し終わってたらあっちの席に戻りたかった……。
するといつの間にか、即席実況席に人が増えた。
「力に力で対抗するは迂愚の極み!!」
「あ、肉倉くん。」
「クラウディア、お久しぶりです。
先ほどから士傑高校の子細を把握しておらぬ様子!
実況を衡平に行えるよう助力したく参じた次第!」
ひざしくんの横に立っていた私の横でビシッと姿勢を正した。
士傑高校の付き添いの先生の方を見ると頭をペコペコと下げている。
お気持ち、お察しします……。
子供たちがチームダボハゼに攻撃を仕掛ける。
戦闘能力はすでにプロヒーローレベルの爆豪くん達だから大丈夫だとは思うが、それにしても凄い威力。
将来有望だな〜。
力があるからこそ、先生たちも扱いが難しいのだろう。
私はもう壁に寄りかかり、ひざしくん達を辞めさせるのも諦め、完全に見学モードだ。
「行くッスよぉ〜!!!」
チームダボハゼがようやく動いた。
轟くんが氷結で巨大な滑り台を作り
夜嵐くんが子供たちを風で運ぶ。
現見さんが幻でオーロラを作り出し
爆豪くんが端っこで見ていた子も参加させる。
「わァァ〜!!!」
「完全にいなしつつ、心を折らずに交流を深められる立案か。」
『こうゆう使い方いいよなァ。
ほっこりするもん』
みんなそれぞれの反応をする中。
私はウズウズしていた。
「轟くん!夜嵐くん!!
みんな滑り終わったら私も滑っていい!?」
ポンッと雲を出して
氷の滑り台のてっぺんに移動する。
「オイ!!!
なんでテメーが一番楽しもうとしてんだァ!」
爆豪くんに怒鳴られた。
最後でいいからァ!と叫ぶと
てっぺんから滑り出そうとしていた子供が声をかけてくれた。
「お姉ちゃん、一緒に滑ろ!」
「いいの!?ヨーシ!行っくぞー!」