第22章 できる事
オールマイトとエンデヴァーの方をチラッと見てから私の手をグイッと引っ張った。
二人が話しやすいように気を使ったのか。
タンタンと階段を降りるひざしくんに向かって話しかける。
「ひざしくん、さすがだな〜。」
「あん?何がよ?」
「オールマイトとエンデヴァーに気を使ったんでしょう?
私たちいるとゆっくり話せないもんね。」
「あ〜、それもあっけど!
一人で実況するの淋しいじゃないの!」
「え、じゃあ、もしかして……
体育祭の時に消太くんを実況席に居させたのって……。」
「あの時、暇なのアイツしかいなかったんだよなァ〜!HAHAHAHA!」
呆れた……。
安静にさせるためかと思ってたよ……。
体育館に降りてズンズン歩いていく兄貴分をジト目で見つめる。
ひざしくんは仮免補講の実行委員席からサッとマイクを取り上げていつもの調子で喋り出した。
『さぁ!バイブス上げてけ!
レットーセー!!
始まったゼ、卵とジャリのバトルがよォ!』
「いいんですけど、一応講習なので程々に……。」
公安委員会の目良さんがひざしくんに注意をする。
ひざしくんはまったく気にせず、オケオケ!と軽い。
「すみません……。
講習の邪魔になるようなら辞めさせますので……。」
なんで私が謝らないといけないんだ!!
と、思いながらも公安の人たちに頭を下げる。
ひざしくんは気にせず、ちゃっかりマセガキ小学校の先生を隣に座らせて話しを進めている。