第22章 できる事
オールマイトとエンデヴァー。
彼らは有名すぎるくらいのヒーローだ。
放って置いたらすぐに囲まれてしまうだろう、慌てて戻るもその心配は不要だったようだ。
オールマイトに気づいた人もエンデヴァーの迫力に近づけない…といった感じだった。
「遅かったね。」
「すみません、オールマイト。」
いやいや、コーヒーありがとう!と受け取ってくれて席に着こうと歩き出す。
「前の方でいっスかね?
見やすいし。」
「なるべく目立たない席にしよう。
みんなの邪魔になる。」
たしかにオールマイトとエンデヴァーは目立つもんね。
では、後ろの方に……と席を探すと突然エンデヴァーさんが大声で叫び出した。
「焦凍ォォォ!!!
お前はこんな所で躓く人間じゃない!
格の違いを見せつけるのだァァ!!!」
当然、補講者たちの注目を浴びた。
隣にいたオールマイトまで気付かれて下の階はザワザワとしている。
オールマイトの気遣いが無駄になってしまい、私は思わず笑ってしまった。
「エンデヴァーさん、いいお父さんですね〜!」
「ム。クラウディア。
そう見えるか?」
「ええ。
休日に息子さんの応援なんて、いいお父さんですよ。」
「……そうか。」
オールマイトも苦笑いをして、座ろうかと声をかけてくれた。
私たちが席に座ると、ギャングオルカが出てきた。
ザワザワとしていた空気を一喝する。
ピシッと補講者たちに緊張が走る。