第22章 できる事
一日の業務を終え、夜になって教師寮に戻ってか消太くんに電話をかけた。
「消太くん、怪我は……?」
『俺は10針縫ったが大丈夫だ。
生徒たちも命に別状はないよ。
バァさんも来てくれたから治癒してもらって、みんな明日には退院して帰れると思う。
……サーナイトアイだが、少し前に……息を引き取った。』
「……そう。」
『俺はしばらく学校を空けることが増えそうだ。
今回保護された女の子、個性のコントロールができなくて今のところ止める術が俺しかない。
オールマイトにも頼んだんだが、仮免補講の付き添い任せてもいいか?』
「もちろん……、任せてよ。」
『頼りにしてるよ、副担任。』
消太くんの声はやはり元気がない。
当たり前だ。
でもプロヒーローとして、先生として
落ち込んでいる場合ではないことを
消太くんはわかっている。
きっと私だったら自分の事しか考えていられないだろう……。
やっぱり、敵わないなぁ。
「ねぇ、消太くん。」
『どうした?』
「早く会いたいよ。」
早く会って、お疲れ様って伝えたい。
消太くんが辛い時は私が支えてあげたいの。
『なんだよ、急に。
…………そんなの、俺もだよ。』