第22章 できる事
朝のHR
「おはよーう。」
「あれ、今日は霞先生だ!
相澤先生は??」
「相澤先生は今日は不在です!
お休みは公欠のインターン組だけね?
それでは連絡事項ですがー…」
HRを終えて、職員室に戻った。
四限までは授業がないので
そのまま事務仕事を続ける。
今頃、消太くん達はどうしてるだろうか。
プロヒーロー達がついているから大丈夫。
私が心配したって仕方ない。
自分に言い聞かせてパソコンに向き合う。
しばらく集中していたら
もうすぐ三限も終わりに近づく。
ガラガラッと扉を開け、オールマイトが顔面蒼白で携帯電話を握りしめて職員室に入ってきた。
「霞クン!!
急で悪いんだが、今日の午後のヒーロー基礎学代わってもらえないか!?」
「は、はい。構いませんが……。
何かあったんですか?」
「実は……」
オールマイトから事情を聞かされた。
消太くんが今回呼ばれた案件は死穢八斎會という指定敵団体の内情調査、及び個性を消すという違法薬物の核とされる女の子の保護。
女の子は無事に保護され、
インターンとして参加していた学生達は怪我人多数だがみんな命に別状は無し。
だが、オールマイトの元サイドキックであるサーナイトアイが大怪我を負い、危篤……。
「そんな……!」
「とにかく、私はリカバリーガールと共に彼らが運ばれた病院へ急ぐ。あと、任せるね。」
私の返事も待たずに
オールマイトは職員室を出て行った。
消太くんも生徒たちも無事。
しかし、手放しで喜べる状況ではない。
震える手を押さえ、力を込める。
自分も今すぐ病院へ駆けつけ
生徒たちと消太くんのケアをしたいが、私は消太くんの代わりに“見ておく”と約束したのだから。
私は私のできる事を……。
今は学校にいる生徒たちのことを一番に考えなければならない。
ヨシ。と顔をパンッと叩き、気合いを入れ直し授業へ向かった。