第21章 こころの壁
消太くんも……。
そうだよね、大事な親友…だもんね。
高校を卒業してからパッタリと連絡くれなかったのは、もう思い出したくない過去だからかなって思ってた。
「オレの余計なお節介のせいで、霞にまで辛い想いさせちまって……ごめんな。」
「そんな事、全く思ってない!
インターンが怖いのは私が弱いからで。
本当に教師になって良かったって思ってるよ。
ひざしくんには感謝してる。
私を先生にしてくれて、ありがとう。」
ひざしくんは優しい目で微笑んでくれた。
ひざしくんだって辛いはずなのに、いつも私の兄貴分で居てくれる。
私がいつまでも弱いままだと大事な兄貴分たちに悲しい想いをさせるだけだ。
私が前を向いていないで、どうする。
いつまでもおんぶに抱っこではいけない。
私も強くあろう。
育っていく生徒を、その生徒を育てた自分や雄英の先生たちを信じなくては。
「相澤。
まだ起きてると思うぜ。
コーヒー淹れて持っていってやれよ。
ついでに元気な顔みせてやれ!」
「うん。ありがとう、ひざしくん。」
ヒラヒラと手を振って、
ひざしくんは自分の部屋へと戻って行った。