第21章 こころの壁
教師寮に戻り、少し部屋で休んだ。
夜も更けてきてご飯も食べずに部屋に戻ったのでお腹が空いてきた。
何か軽く作って食べようとキッチンへ向かう。
消太くん、まだ起きてるかなぁ。
コーヒーでもお届けに行ってみようかな……。
一階に降りると、談話室のソファーにひざしくんが座っていた。
「ひざしくん!」
「ヘイ、霞!
調子どうだ?良くなったか?」
「うん、もう大丈夫。
心配かけてごめんね。
様子見に来てくれてありがとう。
お礼にコーヒーでも淹れるよ!飲む?」
待て待て。と読んでいた雑誌を閉じた。
「調子悪いやつは動き回るんじゃないよ。
オレがドリップしてやるから!座ってろ!」
「え、ありがとう。
でも私はお腹空いたから何か食べようと思ってきたの。」
「じゃあオレが作ってやる!
シットダウンプリーズ!オーケー!?」
「……食べられるもの作ってね?」
怪訝な顔でひざしくんを見ると
ドヤ顔でキッチンに立つ。
料理できるのかな〜。不安……。
ソファーに座って、
ひざしくんが読んでいた雑誌をペラペラとめくって待っているといい匂いがしてきた。
「ヘイ!お待ちー!
プレゼントマイク特製ジャパニーズリゾットよ!」
ダイニングテーブルに移動すると
コトッとひざしくんがお茶碗を置いてくれた。
適度な半熟の卵でとじられたおじやに
小ネギが散りばめられ、まだ熱々なのだろう湯気がふわふわと立っている。
「うわ〜!美味しそう!!!」
「たーんとお食べ、マイキティ。」
「いっただきまーす!」
フゥフゥと息を吹きかけてパクッとひと口。
お出汁が程よく効いていて美味しい。
「ん〜〜!美味しい!!
ひざしくん、料理できるんだ〜!」
「オレだって一人暮らし長いんだぜ〜。
こんくらいお茶の子サイサイよ。」