第21章 こころの壁
ガラガラ~ッ
「オイ!霞!倒れたんだって!?
ワッツハプン~~~!!!!!!!」
でっかい声でひざしくんが入ってきた。
これ以上ない速さで消太くんと離れた。
消太くんも離れて行った。
もう少しで、キス……するところだった!!!
ああああ、びっくりした……。
「マイク、うるさい。保健室だぞ。」
「あ~ん?霞、顔赤くね!?熱あんのか!?」
大丈夫!とパタパタと手で顔を仰ぐ。
消太くんもほんのり顔が赤い気がする……。
「起きたら戻っていいってバァさんに言われたんだった。」
立てるか?と消太くんに支えられながら立ち上がり、保健室をでた。
過保護な兄貴分たちは両サイドで騒いでいる。
「おい、まだフラフラしてんぞ。
乗れ、おぶってやるから。」
「俺っちがプリンセスハグしてやんよ!
ほら、カモーン!!!」
「もう大丈夫ですゥ!過・保・護!!!」
結局、自分で雲をだして移動した。
消太くんにお礼を言い忘れてしまった。
ひざしくんも心配してくれてた。
過保護な兄貴分たちに後でコーヒーでも届けよう。
すっかり暗くなってしまった空を見上げ、
「俺が見ている」
消太くんの言葉を思い出す。
インターンに対する不安な気持ちが全部なくなった訳ではないけれど、弱気になったらその度に喝を入れてもらえばいい。
少し、気持ちが軽くなった。