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partly cloudy 【ヒロアカ】

第21章 こころの壁






心操を霞と二人で見送り、
生徒たちのインターンについて話している最中。


明らかに霞の様子がおかしくなった。
怒りによる興奮かと思っていたが、
どんどん呼吸が浅くなり苦しみ出した。



過呼吸だ。


「霞、落ち着け。
ゆっくり息を吐け……。ゆっくりだ。」


パニックを起こしているのか、
落ち着かせようとしてもハァハァと苦しそうなまま。
落ち着け、と声をかけ続けるもそのまま意識を失った。
倒れてきた霞を受け止めて抱き上げ、保健室へと走った。






「過呼吸によるパニックでの失神さね。
今は落ち着いてるから、起きたら部屋に戻って大丈夫だよ。」


保健室にバァさんがいてくれて助かった。
霞はベッドで眠っている。



「服は泥だらけだし、何かあったのかい?」


「服は別件だ。
一年生のインターンの継続について…少し揉めた。」


「インターンか。
確か、この子の兄がインターンで……。」


俺が俯いたのでバァさんは肯定と受け取ったらしい。
その先は何も言わなかった。



「過呼吸を起こす時は精神的な原因が多い。
きっと、辛い気持ちを抑え付けてきたんだね。
しばらく付いてておやり。
起きたら部屋まで送って行ってやんな。」



そう言うとバァさんは保健室を出て行った。
俺はベッドの横にあったパイプ椅子に腰かける。

霞はまだ眠っている。
普段はいつもコロコロと柔らかく表情を変える霞が
あんなに恐怖に怯えたような顔をみるのは初めてだった。
白雲が死んだ時は感情のない人形のようになっていたし、再会して教師になってから思い出される霞はいつも楽しそうに笑っている。


少し顔色が悪く、時折苦しそうな表情を浮かべ眠る霞の頬に触れた。




……どうしたら、霞を救える?
……なぁ、白雲。






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