第21章 こころの壁
「……何か問題あった?」
「いや、チームアップの要請だった。
サーナイトアイ事務所で指定敵団体の組織を追っているらしいんだが、その組織が怪しい薬を作ってるんだと。」
「怪しい薬……?
個性のブースト剤みたいな?」
「逆だ。どーも、個性が使えなくなる薬…らしい。
切島が今、関西のファットガムの事務所にインターンに行ってるだろ?
その際に事件に遭遇して3年の天喰にその薬が撃ち込まれたらしい。」
「ええ!?大丈夫なの!?」
「ああ、一晩寝たら元に戻ったらしいが……」
個性が使えなくなる…。
なるほど、それで消太くんか。
個性抹消の消太くんの意見も聞きたいってところかな。
「その指定敵団体、敵連合とも接触があったようだ。
会議に呼ばれたから、校長とも相談してインターンの中止も提言してみる。」
敵連合と接触……。
もしかしてマグネが亡くなった原因はその指定敵団体と揉め事が起きたから……とか?
何にせよ、連合が関わってくる以上は生徒たちの安全確保が優先。
インターン中止はやむ無しだろう。
「ま、詳しく話を聞かなきゃ始まらない。
今から考え込んでも仕方ないよ。」
ポンッと消太くんが私の頭に手を乗せた。
「うん……そうだね。」
マグネが死んだかもしれないこと。
それはママとノリちゃんの口から警察に話してもらうのが最善。
連合についての手掛かりは無くなってしまったが私は、私にできる事をやる。
それしかない。