第21章 こころの壁
大阪から帰ってきた次の日。
私は授業を終え、職員室に戻ってきたら
電話が鳴った。
受話器をとり、対応する。
消太くん宛の電話だった。
隣でパソコンと睨めっこしている消太くんに声をかけた。
「相澤先生。お電話です。
サーナイトアイ事務所から。」
緑谷くんのインターン先だ。
また何か問題を起こしたのかな…
と、不安になってしまうほど
緑谷くんは私の中で問題児認定である。
「……またなんかやったか、あいつ」
消太くんの中でも
問題児認定であったようだ。
「はい、相澤です。」
私は先ほどの授業で使用した教科書を自分の棚に戻して、次の授業内容を確認するためパソコンと向き合った。
「……はい。わかりました。
では……失礼します。」
ガチャッと消太くんが受話器を置き、ため息をついた。