第20章 手探り
男は避難誘導から戻ってきた警察官に捉えられ、大人しく紐で縛られている。
念のため、手のひらを男自身に向けて縛った。
「ご協力、ありがとうございました。」
「いいえ、怪我人がでなくて何よりでした。」
警察官たちはお礼を述べると
男を車に乗せようと引っ張っていく。
すると、先ほどまで大人しくしていた男がいきなり警察官に体当たりをかまし、逃げ出そうと走りだした。
さっきは大通りに逃げられ追い詰めて暴走させるし、今は簡単に逃げられているし、ちょっとこの警察の人たち大丈夫か?と心配になりながらも、逃げた男を追う。
「いや~~~、遅なってしもた!すまん!
ハイ、もう確保やで。兄ちゃん、諦めな!!」
男が逃げた先の曲がり角から
黄色い服に身を包んだ大きな丸い男が飛び出してきて
逃げ出した男は、文字通り丸い男に沈められた。
「あ!ファットガム!!!!」
「え!クラウディアやん!!!
何でこんなとこおんねん!」