第20章 手探り
「霞サーン、
どーも、この間ぶりー!」
ホークスはこの間の突然のキスの事などなかったかのようににこやかに手を振っている。
「で?話って何?」
「あれ?なんか怒ってます?」
「別に怒ってませんけど!?」
怒ってはいないが
こっちばっかり悩んで意識して
馬鹿みたいじゃないか!
「ハハハ、可愛いなぁ。」
「なっ!大人を揶揄わないで!」
本気なのにな〜と笑っている。
完全に遊ばれている。
「俺、個人的に敵連合について調べてみたんです。
霞さん、狙われてるって聞いて。」
「え、どこでそれを…?」
「風の噂で、ですよ。」
心配してきてくれた、という事か?
神野の事件から死柄木や連合の動きはない。
連合のブレーンとされていたオールフォーワンが逮捕されて、今は仲間集めに勤しんでいるのか…。
消息は未だ掴めていないまま。
私は私自身のことなどすっかり抜け落ちていた。
また今度。とツギハギだらけの男、荼毘が言っていた。
私が雄英にいることで生徒に危険が及ぶ可能性も考えなければならない。
こちらからも連合について探っていく必要も、あるか……。