第19章 問題児たち
霞は一旦部屋に戻り、
ズボンを履いて上着も自分の物を羽織ってきた。
「爆豪くんさぁ、
最近、様子おかしかったよね。」
「……そうだったか?」
「爆豪くん、よくオールマイトを超えるNo.1ヒーローになるって言ってたじゃない?
尊敬してるのは見ててわかってたから…。
だから、神野の事件でのオールマイトの引退に負い目を感じてるんじゃないかなって心配だったの。」
なるほど……。
普段こそ粗暴だが上昇志向の爆豪だから、切り替えて前を向けていると思っていたが……。
「必殺技の訓練、前向きに取り組んでたから不要な心配だったかなって思ってたの。
でも仮免試験の時、いつもより元気なかったから。
その時は落ちたからだと思ってたんだけど……。」
「……よく見てるな。」
「自分がそうだからかな。
誰かに憧れている人の目線とかに敏感なのかも。」
霞は苦笑いをして
近くにあった椅子に腰掛けた。
「……だからって夜遅くに問題起こしていいわけじゃないがな。」
「……それはそうだね。」
ハァ、と二人でため息をつき
オールマイトが問題児を連れてくるのを待った。