第2章 雨と雲
翌日、お兄ちゃんは猫ちゃんを学校へ連れて行った。
両親ともに仕事でいないし、
猫ちゃんだけでお留守番も心配だったから良かった。
学校へ行けば消太くんもいるから安心だし。
それにしても猫ちゃんのご飯とかどうする気なのかな。
…何も考えてなさそう。
仕方ない、お昼にミルクを届けよう。
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「お兄ちゃ〜ん」
「おう、霞」
「猫ちゃんのミルク買ってきた……んだけど必要なかったか~!」
ミルクの入った袋を掲げたが
すでに消太くんが猫ちゃんにミルクをあげていた。
きっと念のため持ってきてくれていたんだろう。
さすが消太くん。
「おう、ショータが世話してくれてるぜ!」
「消太くんに任せておけば大丈夫だったね!」
「…たまたまだよ」
「よかったねぇ、たーくさん飲んで大きくなってね!」
消太くんに抱っこされてミルクを飲んでる猫ちゃんを覗き込む。
邪魔をしないようにしばらく覗き込む。
「…霞、近い」
ふと気付く消太くんの顔がすぐ真横にあった。
「わ!!ご、ごめん!!!」
猫ちゃんもびっくりして
ミルクから口を離している。
結果的に邪魔をしてしまった。
そして恥ずかしい…。
カッと体温が上がったようで変な汗をかいてしまった。
パタパタと顔を仰ぐと、ニヤニヤしているひざしくんと目があった。
あぁ…恥ずかしい。