第18章 いざ、仮免許試験
消太くんとMsジョークの笑い声は前の席でもよく聞こえる。
主に後者の笑い声だけだけど……。
もっと離れた位置に座ればよかったなぁ。
ハァ……、とため息をつくと会場が展開を始めた。
試験がスタートするようだ。
そういえば、消太くん
毎年恒例の雄英潰しのこと
教えてなかったなぁ。
まあ、教えようが教えなかろうがやる事は一つだから関係ないか。
うちの子たちなら大丈夫でしょう。
「……あの!
クラウディアさんですよね?
俺、前からファンで!!!
握手して下さい!!!」
「あ、はい。
いつもありがとうございます。」
何回か繰り返されるこのやりとり。
何人かに握手を返し、手を振り返す。
付き添いの教師だろうか、
見学の学生だろうか、
やっと試験に集中できそうなので後でにしてほしいな……。
有難いことだけど……。
そんなことを思いながらモニターを見つめる。
固まって行動しようとしていたA組のみんなが傑物学園の生徒の個性で分断された。
別のモニターでは士傑の夜嵐くんが突風を巻き上げ、120人を脱落させ通過した。
凄い。
あの個性、私にとっては天敵だなぁ。